いつものようにセルバンテスが誘いをかけてくる。
それに流されていつものとおりにいつものことが始まる。

そろそろ、飽きてきはしないか?セルバンテス。

「ん?いやぁ、こういうことに限っては飽きるって事はないねー」

心持上向き加減のその物言いもいつもどおりだな。

「セルバンテス、飲むか」
「あ?うん、そだな、いつものヤツでいいかな?」
「ああ」

ただっ広いだけの部屋で。
立ち上がったセルバンテスの背中を見送る。
凝り固まった身体をほぐすように大きく背伸びをして、髪をかき上げるようにして首筋をちょっと掻く仕草。
ソレを目に留めて、立ち上がった。


「氷は入れないんだったよな…と、」


自分の好みを把握している手が、空間を開くように現れた壁のくぼみでグラスに触れて。
近づきざま、その手を掴んだ。

「?アルベルト?どうし…」

無言で。
唇を塞いだ。

「…キミから仕掛けるなんて珍しいことだね」
言葉を無視して。
その口元に指をねじ込む。
「…!?」
驚いて見開いた目を覗き込んで少し目を細めて見せると、かすかに眉をひそめた。
中指が、濡れた粘膜に触れて、やわらかく包まれる。
「このくらいお手の物だろう?セルバンテス」
「…えぅ…な、なんのつも…。んぐ!」
引いて逃げかけた頭を髪を掴んで制し、もう一度粘膜の奥へと指を差し入れなおす。
苦しげなうめき声と、見開いた目。思わず、唇を湿らせていた自分に気づいた。
…何か自分の中で壊れようとしている。

それに従っていいものか、どうかなんて、そんな疑問さえも起きなかった。

「舐めて見せろ…」

髪を掴んだ手を離し、手本を見せるように自分の舌先で指先を舐める。
セルバンテスの顔はまだ混乱している様相を見せてはいたが。
そう、この混乱の隙を付かねばこの城は落とせない。
だろう?眩惑のセルバンテスよ。

セルバンテスの唇がかすかに開いたのを見止めて、その口元へ自分の舌を差し出した。
開いた口から見える赤い舌が、指を恐る恐るといった風に舐め始めるから、その舌に自分の舌を絡めて。同じように指を舐りあう。
「ん、っふ…。」
舌先に当たる呼吸は心なしか荒く。
「…セルバンテス、キミは少々マゾの趣味があるのかね?」
「…な、なにを、アルベル…」
指を勝手に離した彼に、なぜかやけに腹が立つ、どうかしている。わかっている、でも。
…くぼみに置かれたグラスを手にとった。
「アル…!!!!やめ、なにをしている、やめろぉっ!…ぅあッ…!」
アルコールがシャツの内側から染み渡り…セルバンテスの肌を浮き彫りにしていく様を見て。

もう、止まらない…止められないことを知った。

「…ッ!こ、こんなことしなくたって、普通に…」
「セルバンテス!」
「…っ」

つい、大きな声が出た。
威嚇して。そう、繋ぎ止めて、逃げられないように目はそらさない。
引きつったセルバンテスの目、ソレを覗き込むことがこんなにも自分をかき立てる。
「なぁ…?セルバンテス。酷い事をお前にしてやろう。」
「ひどい、こと、って、アルベルト…キミは今日どこかおかしいぞ!?」
「くっくっく…そうかも知れんな…だがお前は逆らわない。だろう?
酷いを事してもらいたくて胸の奥が熱くなっているのが手にとるように分かるぞ?」

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アルベルトの様子がおかしい!!
突然口に指を突っ込んできて舐めろだの、その挙句には、床に押し倒して何を言うかと思えば
「酷い事をしてやる」だなんて、ちょっとこれはどういうことなんだ!?
ちょ、ちょっと混乱してるぞ、まて、冷静に、冷静にならなきゃ…
あ、

私の目を覗き込む

赤い瞳に


「う、アッ…」


ゾクリと来た背筋に、その走ったものが快楽を期待するものであったのは…否定できない…なんて。
「あ、あのっ…いや、駄目だ、アルベルト…そんな、ことは、な?駄目だろう?ちょ、ッと、アルベルト…!」
私が何を言おうとも、彼には届いていない様子で。
どうしたんだ、アルベルト…?

湿ったシャツに指がかけられて。

「フ、ッ…!」
「ぐぅ、あああああっ!?」
強い衝撃と共に布が縦横無尽に引き裂かれ、身体の奥に衝撃波の余韻が走る。
びりびりと走る衝撃の中、唇にやわらかい刺激。


「ハ、ハァ、ッはっ…」
衝撃を食らい続けた身体はしびれて思うように動かない。
目の前には冷たい床。冷たく感じるのは破れた服の間から生身の肌が鉄の床に触れているから…
くらくらと回る意識の中で、声が聞こえた。
「おきろ、セルバンテス」
「…ッ…」
両腕に力を込めて。ひどく重く感じる身体を持ち上げて。
顔を上げたその先に優しく笑うアルベルトの瞳。
「アル…」
「今度は間違えるな」
…え?

「いいというまで、舐め続けろ」

…!

「う、ッ…」
何故、逆らわないのか
自分でも、分からなくなってきていた。
命令されるから、従う
これでは、まるで精神崩壊…

差し出された指に顔を近づけて。
そっと舌を突き出して、指先を口の中へ、ゆっくり、含んでいく。
唇の間を滑る指の感触。
やけにその感触が卑猥に思えて。
ギュ、と目を閉じた。

髪を掴む大きな手。
引き上げられてうっすらと目を開く。
「…目を開けろ。目はコッチだ…そうだ。…ちゃんと奉仕するんだ」
口元から響く粘液の音、感触、私を捉える嘲りの目。
ぴちゃ。
「ん、、っ、っはぁ」
ちゅ…
「んく…」
ぞくぞく、する、よぅ。
身体、が。

どこか、おかしくなったんだ多分、
アルベルトの瞳に全身を犯されて。

「いい顔だ…セルバンテス。よし、よく出来たな。」

優しい声と。
鋭い痛みを伴って引き上げられる髪の毛。
「う、っあ…!」
「ご褒美だ」
引き上げられ、さらけ出された首筋に。

「が、はっ!!!」

固い、肌を突き刺す感触に、息が一瞬詰まって。
噛みつかれたのだと気づくまで、ゆうに十数秒はかかったように思えた。

「あ、っ、アルベルト…もぅ…」

頼むから。
やめて…

「どうしてだ?」

「壊れて、しまう、このままじゃ…。」

「壊しているんだ」

絶望と、言い知れない快感が身体を支配した。






ぼろ布のようになったスーツとシャツは全部脱ぎ捨てて。
目の前で、一枚一枚ソレをはがした。
スーツを着込んだアルベルトの前に全裸の自分がいることに、ひどい羞恥を覚える。
「こっちへ来い、…どういうことだか…わかるな?」
「…っく…」
よろよろとアルベルトの前に跪いて。
見上げると、アルベルトは優しい顔で微笑みかけてくる。
その直後に好色な笑みを浮かべて見せるのを忘れない。
正常な思考が出来ない。
もう、ただ従うだけ…
何故?

私は、何故…

アルベルトの重なり合った洋服の中から、その対象を見つけて。
「…っ」
「お前のこんな姿、他の十傑集に見せてやりたいもんだな」
「ア、アルベルト…!なんて、なんてコトを」
指が、あごを取る。
緊張した首筋が震えて…。
「無論そんな勿体無い事はせんよ。」
そのまま、その指で促されるまま。
まだ多少肉の感触を残しているソコを口に含んだ。
「目は?」

そう、目は、アルベルトの目を見なくちゃいけない。
さっきよりも大きな感触に、唇をすべる違和感に、むせかえりそうになる。
アルベルトの含み笑い。かすかに聞こえる荒い息遣い。



駄目、壊れる



パシ



感覚が麻痺する…



口内を無理やり突き上げる、もう、空気さえも簡単に吸えない




「ぐ…!!!!」




パシィン。




頭の中で…何か、が、はじけた。




口元から、粘液が糸を引くのが見える。
「も、ぅ…」
「ん?誰がやめていいといった?」
見上げると、アルベルトの顔。
こっちを、見てる、アルベルト、そう、そうだ、いいと言うまで…続け…
「スミマセン、続けさせて、いただき、ます…」
「…ほぅ、壊れたかセルバンテス」
そう、たとえばこんな風に支配されてみたかった、それがどんなに楽なことなのか私は知っていたから
いつも支配する側で
いつも、誰にも支配されない、
それが私

赤い瞳に、すべて、ゆだねて、しまおう、か

は、あ…。
自分の息がひどく乱れて。
目をアルベルトの目に合わせられなくなって、ああ、これじゃしかられる
でも、苦しい
クチン中、いっぱいで
ぬるぬる、する

「ふ、あっ…」
「セルバンテス」
「ア、はぁッ、は、い」
「上に乗れ。自分で咥えこむんだ。身体の奥までな」

あ、

「ありがと、ございます…」

「…セルバンテス…」

「は、ぃ」

「…早くしろ」

一瞬アルベルトの顔に暗い表情が浮かんだように見えたけれども。
ソレのことについて不思議を感じて考え込む前に自分がすることはヒトツだと気づいて、身体を起こす。

椅子に座ったアルベルトの腰に手を付いて。
「そうだ、身体はこっちに向けておけ」
「…ッ、アル…」
こんなに近くにいるのに。
何で今日はそんなに遠いんだろう
離れたのはキミ?ソレとも…

相変わらずその瞳は赤くて

腰に手を添えられて、空いた片方の指先で中心部を軽く愛撫されて。
「は、あ、あッ…!」
「ずいぶんと感じているようだが…どうしたんだ?大丈夫かセルバンテス?ふふ…」
「あ、はっ…。」
声に目を閉じて。
アルベルトを自分の身体の中にゆっくりと導く。
「う、っ、う…」
ソコを中心にゾクゾクと駆け上がる感覚に、身体が仰け反って。
まだ、まだ…来るの、か?どこまで行けば、最後…?
「あ、あっ、くう、ぅ…」
「…なかなか、いいぞ、セルバンテス…だが、まだだ」
「はぁっ、も、もう」
「駄目だ!」

「っーーーーーーー!!!??」

身体の奥から脳天まで突き抜けるような衝撃に。
開いた口からは声も出なくて、
はじけ飛びそうにる身体をギリギリの所でつなぎとめるだけで、精一杯、それ、だけで、もう!
「ほう?良く堪えたな」
「ア、アルベルトッ…無茶、だ」
「もう一度欲しいか?」
「や、止めて、壊れる、これ以上は……!」
腕を引かれて。
近づけられた顔に、また、優しい微笑。
ああ、また嘘だ。
そんな顔しといて、また、絶対、ひどい事、ああそうだ、ヒドイコトするって言ってたっけ
「食らえセルバンテス」
「…ぃいぃッ!!!!ア、っあーーーーーーーーーーー!!!!」



















ぱしぃん、って、なんか、体中が

























「セルバンテス?」



んん…



「セルバンテス!」
「!?」
ば、と目を開けて。
目の前にいるのはアルベルト、
「ヒッ…ア、アルベル…もう、もう止めて、お願いだからっ」
「…大丈夫か」
「…」
「もう、しないから安心しろ」
「…嘘?」
「本当だ」

ふぅ。


ひょい、と目の前に差し出されたグラスを手にとって。
「?」
「オレンジジュースだ」
「は?何でこのセルバンテスがオレンジジュースなんか…」
「疲労したろう、少しは身体をいたわれ」

…へぇ、優しいトコ…

「ひ、疲労させたのは誰だ!」
「このワシだが」

そ、そんな思いっきりいわれると反論の仕様がないじゃないか…


「だがなかなか楽しかったぞ、いつもいつも、いつも通じゃやはり刺激が足らんな、
 BF団のエキスパートとしては、やはりこう、刺激というか、張りのあるものが必要だと、そういったわけだな。」


わけだな、じゃぁないよ。


ぷす、とむくれている私のそばに膝を曲げて座り込んで。
「ところでセルバンテス」
「…なに」
「寒くないか」
「…」

……自分自身がまだ裸のままなのにいまさら気がついて。
慌てて、前を隠してアルベルトを見上げる。
その顔に、鬼畜な微笑み。
「…ひぇ…」

「もう、しないから安心しろって言ったろう?」
「あ、ああ、うん、わかってる…」

「もう、しないさ。」

「えと、なんか、服…」

「しないから」

「わ、わかったよ、あ、アルベルト…クフィーヤ取ってくれ…」

ソファにかけてあった大きな布、クフィーヤを手にしたアルベルトは私の背中にご丁寧にソレをかけてくれた。

「安心しろ」





「…わかった、って…」






「今日はもうしないから、な」






な、何ですとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?









FIN?====================


コメント
なんだこりゃ。
単にエロいの書こうと思ってたんで無意味にセルが壊れてますが。
後で読んだら単なるギャグ小説?コレ?
アルベルトも衝撃なんに使ってんだか。このアタリ完全にギャグッつぅかアホ小説でンなァ…
とにかくなんかセルバンテスをいじめたかったって感じですー
すんません、世の中アル受けが多いってのに…
確かに美人なんだよなぁアルベルトォ〜〜☆
実はOAVを見る前に夢で見たのがアルセルで、
しかも調教モンだったんでそれ以来なんか頭ン中アルセルなんですよねぇ
っつぅかなんつー夢見てんだ自分。