熱い。
とにかく熱い。

おもむろに立ち上がって、冷蔵庫の前に立ち、レイトウコを開けて手を突っ込む。

はー気持ちイイ



なんか呼んでる

床伝いに部屋に戻ると、チョコレートを差し出されたから、口で咥えた。
手がビクッとして引っ込んだように見えたけど、別段気にもならない。
もぐもぐもぐもぐ。
…チョコレートは溶けかけが好きだな。
よく冷凍庫で冷やして食うヤツがいるが、私にはアレは理解できないな。
溶けるからこそ味が広がるンじゃァ無いか。



中から、何かドロッとしたものが口の中に広がる。

「うえ」
「…苦手だったかー?にゃっはっはっは」
「何だよこれぇ」
「ブランデーインチョッコレイっ」

別に不味くは無いがなぁ
と、口の中に不協和音が襲い掛かるのを覚悟で、レッドの前の透明な酒を飲み干した。



「それ、俺ンだろ、ったく、お前なー、俺に張り合って飛ばすからだよ、俺はザル、ザルなの。酒豪。お前がかなうわけ…」



「おーい?」


はーい


「お、おいおい?」


はいはい


「おいテメェヒィッツ!」


んー


「へーなっさけねぇ!もしかして今の一発でダウンか?そんなんだから、全身性感帯クンなんだよお前はぁー」
…セイカンタイ?
「何、見てんだよ」
…あっ
「お、おい?」
…そんな言葉聞いたら、私…
「ヒィッツ」
…熱い、…指先からつま先まで、頭はどっちかって言うと冷たくて
手を伸ばすと、布地に触れた。
それが逃げようとするから、くにゃ、と掴んで。
「…!?な、な、な」
なんだろ。
このヒト凄い慌ててる

勃ってる
から、布地を引っ張って、あ、逃げちゃ駄目だって
もう一度掴んで。
滾ってるモン、掴みだして、口に咥えた。

口いっぱいに、柔らかい皮膚の感触。

唇ではさんで、軽くもぐもぐして。

そのまま、喉の奥まで飲み込んだ。

う、気持ち悪

でも、

「っはぁ…」

一旦抜き出して、もう一度、今度は横から。

びくん、と震えた太ももに手をかけて。
見上げると、レッドが固く目を閉じてた。
「…?レッド、どうしたんだ?…大丈夫か?」
「…っ、な、なんなんだよ、お前!」
「なに、って、舐めてンのお前の」
「舐めろ、って、ッ、言ってねーだろ、あ、ああっ!、ま、またぁ!だ、駄目ダメダメ!」

はむ。

「んぁっ!」

…面白ぃ

「やめろよ、ヤダヤダ冗談じゃねぇ!っ、」

でも、ここ、スッゴイ固いぞ?
なんか、意地悪したくなってきた。
なぁ
レッドってば、いつもこんな気分?
お前が眉を寄せるたびに、私の腰の辺りにズキンってくるんだけど
…ふふ
自然に、笑みが漏れる。
歯を立てて、根元から扱きあげる。
「あ、ああっ!、う、うそ、ぉ」
ウソじゃないだろ?ほら。
「んんっ、お、お前からこんな事、すんなんて、卑怯、ヒキョーだぁ!」
「ん、ふぅ…っ」

唇に感じるレッドの膨張しきった感触。
肉だというのに、微かな柔らかさの寸分も感じさせずに、
そう、いわば、張り詰め、力を入れた筋肉みたいに。

唇での刺激なんて、もうまだるっこしいだけだろ?

足を押さえていた手をはずして、口の中に肉隗を収めたまま、
スーツを脱いで、ネクタイをはずして。
シャツ、脱いで

「ヒィッツ、どうしたんだよ!お前から、誘うなんて、って、酒乱?ネェ酒乱!?」

「たまにゃーいーじゃないか」

ちゅるん、って口元から音。
反動で跳ね上がるそれをゾクゾクしながら凝視しちゃう。



はぁ



私って、こんなに、大胆だったっけ
根元から先端、そのまま腹に舌を這わせて、前を肌蹴たシャツ掴んで、
首筋まで一気に舐め上げて首元に寄りかかる。



「た、たまんなくなっちまうじゃ、ねーか、」
「その気に、なれよ…」
「…え?ヒィッツ?」
「私だけ、私だけエッチな気分なんて、馬鹿みたいじゃないか、その気に、なれよ…私を滅茶苦茶にしたい気分に、
どうしたらなる?私が何をしたら、君はそそられる?なんでもするから、なぁ、…」

耳元にあるレッドの喉がゴクン、ってはっきり音を立てた。
ゆっくりと抱かれる肩。
レッドの腕。
震えて、る?
どうして?

「あ、痛ッ!!!」

一瞬の痛みと共に髪をひかれて首を無理にそらされた。
あ、ああ、そう、コレ

「いーい度胸だヒィッツ。いい度胸だよ。何をしたら?そうだな、何してもらおうかなァ?ああン?」
「…う、あ、」

喉を舐め上げる舌先。
ああ、どうしよ
そう、コレが欲しかったのかも知れない

「なぁお前、マゾ?痛いの好き?」
「…ち、違」
「ウソつけ」

ゾク

「好きなんだろ?だよなぁ?」
「…」
「…」
「わ、私は…」
答える?
答えない?
言ってもいい?
…無言で、レッドの顔を見た
途端、頬をペチンと挟まれる。
イ、イタ…
「馬鹿やろ!!いつだって、オレァ本気でお前にゾクゾクしてんよ!これ以上滅茶苦茶にしたい気分なんてどうやってなれってンだ!」



「…」
「…」

お互いの顔、なんて、見られない。

なぁ、

今日、電気消さないか。

「…いいぜ」







我を忘れる手段。


それに酒を使ったのは、私が恥ずかしかったから。





熱い肌、恥なんてもう感じない。




互いの名を呼ぶ。
息切れと喘ぎと名を呼ぶ声のみ、後は私たちの身体の合わさる音だけでいい。










実はいつも自分だけ感じてたんじゃないか、なんて、凄く気にしていたんだ…









安心は、眠りを誘うものだな…











ああ、そうそう。寝ているお前に言うのもなんだけれども。











私はな、実はザルなんだよ。
ザマミロ。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こめんと
ヒィッツがすげぇ(笑)
やっぱ主導権はやつが握ってましたな。
つか、酔っ払い襲い受けネタを書こうと思ったんだけど。
なんか、襲ってるような、襲ってないような。
中途半端でゴメンナタイ。
ちなみに、この小説は友人のリクです。
短くなっちゃった…ふにゃー