★3000★
背中に手を回して座ったまま抱き寄せた。
自分の上に座らせて、マミーを抱いたまま床に倒す。
つめてぇ
って、すぐに文句。
はは、こりゃ大変そうだね。
耳を貸さずに入れ墨を指でなぞる。
綺麗な曲線と引き締った筋肉の溝に指がそって流れるようだ。
くすぐったそうに身を捩ってるから、そのまま熱くしてあげるよ。

「トニー…くすぐってぇってよ…」
「うん、わかってるよ」

閉じた瞳がそっと開いて、その目線が空中を泳ぐ。
俺の、指が君のそれにたどりついて、優しく握ったから?
唇の近くにキスをして、覆い被さったまま手をゆっくりと動かし始める。
手のひらに伝わる固く張った感触。
指で転がすようにして捻り上げる。

「ん…ッ…」

俺の目に入らないように顔を逸らして息を吐いたね。
見えてるよ。
肌にうっすらと浮いた汗も、それに光る曲線も。
俺の指の中で脈打つ、君の熱い部分も。

「おい…?」

目の前から消えた俺に、ちょっとだけ不安そうに声が歪んだ。
握りこんだ其処に俺は口付けて。
マミーが深く吸い込んだ息に合わせて咥え込む。

「…ッ!!!く…ッ」

声、殺さないで…
もっと俺の近くにきて。
その為に、俺に見せて、君の恥ずかしい格好。
見せて貰えたら、もっと近づける気がして、
そしたらもっと安心出来ると思った。
そう、俺は、君の近くにいたい。
そうすることで、俺が護られるから。

濡れた粘膜でピンと張り詰めた肌を舐り、時に歯をすべらせる。
先から溢れ出した粘液が、君の声を高くする媚薬。
もっと、さらけ出して。
足を持ち上げるとかすかな抵抗を見せるけど。
そんなもの、もう構わないよ。いやだったら命令して…
口に含ませた指を後ろからなぞり上げるようにして。
固くしまった其処にゆっくりと差し入れる。

「ん、ん…ッイテ……」
「大丈夫…もうちょっと我慢して」
「お前が、大丈夫、って、言う、な…馬鹿…」

それもそうだね。
でも俺は大丈夫だから、多分君も大丈夫。
少し挿しこんだ指を少し抜いて、そしてまたくすぐるように少しだけいれる。
それを繰り返す、だんだん俺の指が飲み込まれて行く。
クチの中で其処がビクンと跳ねたのは、快楽の証拠。

クチから其処を外して。
根元まで埋まった指を中で捻じ曲げる。

「う…ああ…ッ」
「コレでも、駄目…?」
「き、く、なッ……」

ベチ。
感じてて身体中震えてるくせに、殴ることは殴るんだね…。
額を手のひらで叩かれた。
その手を握って指を舐めてあげる。
こんなに、指が震えてるよ、どうしたの?大丈夫?
俺の微笑みは加虐的?
それに喘ぎながら笑い返す君はなんだかやっぱりカッコイイね。
弾かれて笑みを消して開いた瞳をふるわせて。
優しさに、涙が、出そうだよ。
どうして俺を受け入れてくれたの?
遊びなの?聞きたいよ。遊びなの?
俺は遊びでも、イイの?


そもそも遊びじゃ、何故イケナイの?


求め合った後、マミーは俺をまた小突いた。
バカ
だって。
なんで馬鹿?
なんでって、馬鹿だからだよ。
君は馬鹿?
俺は、頭脳明晰。
んじゃ俺は?
馬鹿だろ?

そんなこというと。

「う、ごくなッ!まだ入ってんだから!」

俺の上に見下ろす形で座った君は煙草を咥えて。
煙を吐き出したら、また突いてあげよっか?
知りたいよ。
聞きたいよ。
何故、
何故君は、戦えるのか。
俺の答えを、くれないか。

「トニー…お前なんでそんなに苦しむんだ?」

え?なん、て…

「俺はなァ…俺は、自分のために戦ってる、だから仲間が好きだ、
 やつらがいなかったら俺が楽しくネェ。」

マミー、君は人のために戦ったコトは、ないの?

「ないね。」

どうして?

「何言ってんだ、お前だってそうだろが」

笑顔で。
当たり前のようにそう言われた。
俺は、俺のために戦っていた?
そんな、身勝手なこと…

「自分のために戦えないやつが、人なんか護れるか」

そんな言葉を目線を逸らして言うから。
照れたじゃないか。
そうだよ、
わかっていたよ。自分が自分のために戦っていたこと。
それを恥じていたこと。
恥じなくて、いいことだった、と。君はやっぱり俺を許してくれるの?
笑う君が逆に恥ずかしくって、優しくて。
俺はまた意味不明の微笑を漏らした。
コレは君のため。俺が笑うのは君のため。
今笑うのは君のため。君のために笑った自分が愛しいから君のため。

大切なのは、自分だろ。

それに、即答するよ。

そうだね。って。

1度だけ、笑おう。
君の笑顔と同じ、真似をして、楽しそうに。
俺を叱れる、強い君に。
憧れじゃなくて、安心じゃなくて、自分を求めて笑おう。



ずっと、一人だって思いこんでいたのは


俺の勘違い。


いつでも誰かが傍にいたことを忘れた。


それは俺の勘違い。


ありがとう。


いつもありがとう。


助けてくれて。


助かってくれて有難う。



自分がココにいることに、有難う…。

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