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マミーさんの酔いに付き合って、ボケた頭で会話する。
その俺の反応がどうも面白いのか、ニコニコ笑って、
コリャ俺にはたまらんですよ。
アナタの笑顔がどうしても俺の命の引鉄になるんですからネェ。
そんなアンタを抱きしめられない俺は臆病モンですヨ。
その笑顔が消えるかもしれないのが怖くてね。そうですネェ。臆病かもナァ。

「ボタン〜♪ホレ、コレが欲しいだろ?はっはっは、やらんぞ」

俺に向かって唇を突き出して見せて、そしてそうやって笑う。
俺がドキンとして一瞬強張るのが分かりますか?
零した酒を手のひらで受けとめて舐める舌が俺を誘うのが分かってますか。
「…どーしたボタン。」
「な、なんでも、ネェっすよッ…」
「……俺をずいぶんな色目で見てくれんじゃネェか。臆病モンが」
「お、臆病だなんて…じゃ、じゃあ、ヤりますよ?!」
「出来んのかよ?」
そう言われて見透かされた様にニヤリと笑われて、
嗚呼、ソレだからその笑顔を見せられて出来るも出来ないもありますか。

「誘ってるンすか?冗談か本気か分かんネェッすよ…」
「し〜らねぇ。」

天井を仰向いて目を閉じたその下で、カサカサと煙草の包みが開けられて。
俺のジョーカーをたまに吸う癖があるこの人に、とくに俺は意見もなくて。
ソレを咥えるまでの一連の動作を、動悸も高く眺めるだけ。
唇が、ソレをツィと咥える。

「お前今、俺見てんだろ」
「…え?あ、そ、そんな事ネェです!」
「見てんだろ?」

マミーさんの瞳が開いて、そのオコトバ通りの状態の俺をじっと見る。

「ハイ…見てました」
「火ィ」
「…はい」

ライターを取り出して、カチリと火を点す。
と、煙草が落ちた。

「マミーさん?」

言葉もなくテーブルの酒を呷る。

「……」

火をつけたままの俺に向かって、手を伸ばして。
顎で俺を上向かせた。
真意を察して火を止める。
唇に、キス。
分かっている、コレも遊びの一つなんでしょうねェ。
昨日も、こんな、事がありましたかネェ。
唇を合わせたまま、マミーさんが立ちあがって、
座ったままの俺に上部から唇を開いた。
昨日も、こんな…。

「…ッ!!!」

口内に広がるブロッサム。
口付けられたまま、昨日のように飲みこむ。
こんなに煽られてて何も出来ない俺を又笑ってくださいよ。

酒と、薬。

忘れてた一つの組み言葉が甦る。
飲み干した俺の身体にアルコールが酷く充満して。
マズイかなァ?と思った矢先の事。
自分の口を止められなくなった俺が言葉を吐いた。

「弄ばれる気持ちを知るのも一興ではある…か」
「あ?何だ?」

酒にとろけた瞳が俺を見る。
その顎を捉えて、舌なめずりをわざと。
翻弄されたのは俺、そしてコレからがリベンジの時間。
さぁ、お覚悟を。

「ボ、ボタン…?なんだよ、目が据わって…」
「知りませんネェ、何も聞こえません。」

フラリと立ち上がって、立位のマミーさんの体をベッドに倒すのは俺の熱。
うわ、と悲鳴を上げた声も無視して、キスをする。
上から咥え込むような、深いヤツをあげますよ。
眩暈と困惑と快楽と享楽を、アナタに。
唇を塞いだまま、もがこうとする腰を探り、ジーンズの上から握りこむ。
もとより固くなっていたソコに、爪を立てて根元を軽く押すと、
口元から微かな息が漏れる。
もう、俺は自分が、何してるか、分かりませんからね。
押さえたり、出来ませんよ。

「舐めますんで、脱がせますよ…腰あげてください」
「ちょ、ちょっと待て、お前いくらなんでも極端…ッ…」

小器用にジッパーを緩めて片手で剥ぎ取りながら、
露わにされた腰を身を屈めて舌でなぞる。

「テメェ…ボタン、本気か?」
「誘ったのはアンタでしょう…?大丈夫ですヨ、
 俺はこの勃ってるモンをこのクチで咥えて奉仕するだけですからネェ」

自虐的とも受け取れるでしょう、このコトバ。
マミーさんの、微かな嘲笑が目に入る。
コレは、理解されたと取るべきか。
それを見てとって、目の前で、わざと自分の指を舐める。
さァ、コレがどう言うことか、謎解きですよ。
膝の裏に手を当てて、足を立たせて開かせる。
さした抵抗もなくソレは行われ、俺はその谷間に口付ける。
彼の腕が俺の髪を捉えて。
唇で嬲るたびにキツク掴まれて痛みが走る。
咥えた口に指を入れ、先端を舌と共に指先でなぞると、柔らかく溢れた。
「…ん…ッ…ボタン…なに、す…」

そろそろお分かり頂けました?
指がキツク締まったソコにスルリと入ったのは、
アナタの液体の所為ですよ。
奥を探ってもそれほど痛くないのも、アナタの零した液体の所為。
そうですね、俺の口に放って頂いたら
それを俺自身に塗りつけてアナタを犯しましょうか。
そうしたら、気持ちよくなれそうですネェ…

ああ、嗚呼。暴走足るかな、この眩暈。
あなたの身体を抱えて、すべて吐き出して壊されてしまえ。
アナタの身も心も?イイエ、俺のこのすべてを。ですよ。
やめろといったアナタの言葉も、聞こえませんでした。
だって随分と艶めいていましたから…
そうでしょう?俺の間違いでしたか?

挿入の行為を支配にたとえる心理学があったのを覚えています。
それが本当なら、一瞬の支配がアナタを襲うんでしょうね。
そしてそれを忘れるべく乱れて下さい、そう、
今の反応、とてもイイですよ…。

ボタマミ1−3

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