★破礼句★
ひたすら殴り合って、倒れこんで。
こうしてボーっと転がっているのも気持ちがイイ。
先に起き上がったのはマミーで、その目が俺の顔を覗きこんだ。

「今日はキレねぇじゃねぇか?ボタンに精でも抜かれたか?」
「ああ?うっせんだよ」
「抜かれてねぇのにこの程度かよ。随分と弱くなったもんだな、おい。」

その声は明らかに不満を示していた。
痛みに痺れた体をもう少し休めたい。
まだ、やろうってのか、元気がイイな…
仕方なく起き上がろうとして、その両手を押さえこまれた。

「…何しやがる」
「何だと思う?」
「……殺すぞ」
「察しがイイな」

払いのけようとして両腕をマミーの握力に押しつぶされて、舌打ちする。
コレばかりは馬鹿がつくほど強い。
体を起こしてそのまま俺の上に馬乗りになったマミーを下から睨み付ける。
俺は、この状況が把握出来てはいない。

「ボタンに手ェ出したか?」
「さぁな」
「オマエにはやらねぇよ、ありゃ俺の持ちモンだ」
「…知るか。離しな」
「くだらねぇことぶっこいてんじゃねぇ」

蹴りあげようとした俺の足を器用に避けて。
倒れこむように唇を奪われる。
この、感触は一体、なんだ?!
唇を割ろうとする舌に歯を立てると、ク、っと咽喉の奥で笑われた。
諦めたのか唇から離れ、そのまま首もとに沈みこむ。

「本気か?!」
「せんないことだな」

…ああ、その言葉。お前ももう伝えられていたか。
酷く疲れて、そのまま力を抜いた。かたや相手は俺から手を離して。

「あん?つまんねぇな」
「そうか?」

眉をしかめて顔を上げた首を掴んで、おもむろに口付けた。
このまま、奪ってやろうじゃねぇか。
くだらない詮索よりも、行為がものを言うだろう?
ボタンなんか抱けネェようにしてやろうじゃねぇかよ。
一瞬引いた腰に手を掛け、自分の其処にこすりつける。
口元で、引きつる息を聞く。

「ッ…んだ、このやろ…」

マミーの声が途切れた事に自嘲する。
ボタンに頼られてすべて任されるあんたを、こうして犯したとしたら。
ボタンはどんな顔で俺を見るか、と。
その思考に、自分のすべてが賛同した。
殴る振りをしてその実足で脇をける。
くぐもった声に合わせて体を反転させ…
マミーの体を組み敷いた。
掴みかかる腕をねじ伏せて、血の斑点の残るシャツを引き裂く。

「ッだ…ッ、テメ…!」
「犯してやるよマミー。恥を曝してやる」

かみつこうとする歯を避けて、胸の突起を舌で弾く。

「ッつぅ…っ」
「もっとイイ声出せよ…感じてはいるんだろうが?」
「ッ…ざ…けるな!」

裂いて開いた胸元に印を落として行くと、威嚇する声が時折高くなる。
抱こうと抱かれようと、堕とされた者の負けだ。
あいつの顔も見られないくらい、恥をかかせてやろうじゃねぇか。
固く尖ったソレに口付けて嬲る。
強張る体。そう、もっと快楽を感じちまえよ。

「止めろ…!」
「声が上ずってるぜ?」
「んな訳あるか!離れろ!気持ちワリィ!」
「コレでもかよ?」

腕を離して下腹部へ。
膝で割ってやると体を起こして俺を掴もうとしてくる。
その手を払ってやると、簡単に倒れた。
割った膝を付け根に押し当てて、探る。

「う……あっ」
「勃ってんじゃねぇかよ。やる気はあるんだろ?違うか?」
「違う、に、決まって…ッ…!」
「なに手だしてんだよ」

色の違う声。

ヒュ、と空を切る音と。
頚動脈を捕らえた冷たい感触。

目だけで、後ろを見る。
裸足、そして紫の衣。そして俺を見下ろす一対の目。
見開いたまま、まばたきをしない目の奥は、異常な圧力を秘めていた。
ゾクリ、と背筋に冷たい物が走った。
恐怖……。
飲みこむ唾さえも、乾いた咽喉に貼り付く。

俺の首筋に、抜いた刀を突き当てて。
ピンと張り詰めた糸のようなボタンが俺を見下ろす。

「…マミーさん…遅くなりまして…」

ボタンの静かな声に、マミーの強張った表情が嘲りに変わる。
それは俺に向けられた物で。
微動だに出来ない俺を強く引いた足で蹴り飛ばす。
一瞬早くボタンが刀を引かなければ、俺の首は転がっていたのだろう。
吹っ飛んだ俺の目の前に又一閃。
動けぬ俺がいた。

「イイザマだなァ?ボンチューよぉ。脱げや、犯してやッからよ」
「……」

俺に刀を向けたままのボタンは。
その言葉を聞いて、どんな気分だったのだろう。
無表情に俺を見下ろす。
こいつをこんなに怖いと、思ったことはなかった。
そんな目で、俺を見るな…。


……なんでこんな展開にィィvvボタンかわいそうや…(TT
ボンチューもさぁ大変…ボン受け書いたのはじめて。
この後ボン受けになってボンボタになります(笑)
でも実はマミボタなんです〜…ホンマ滅茶苦茶やァv
破礼句3◎

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