★破礼句★
すべて剥がされて、裸体を曝して。
マミーの上に座らされ、慣れない其処が酷く痛む。
無理に煽るように俺を擦りあげる指に快楽と痛みの狭間で意識が揺れる。
ボタンの瞳に動けなくなった俺を。
マミーの熱い物が出入りする。
奥の方に感じ始めた妙な疼きに単なる息が喘ぎに変わりそうで…
微かに開いた目が捉えた壁際のボタンは
瞳を伏せていた。

「ボタン、目ェ開け」

マミーの声に震えて、ボタンが仰向く。

「見てろってんだよ、一部始終をな…」
「…ハイ…」

掠れた声が返事を返して。
開いた瞳が一瞬細まる。
そんな目で、見るな。突き上げられて酷く捩じれる体を…そんな目で見るな!
髪が乱れて視界を隠す。
マミーの荒い息を耳に受けて背を反らす。
視線が突き刺さるように痛い、熱い…見るな、見るな…!

「ッふぅ…あ…ッ……」

俺の声に又も目を細めて。
一瞬逸らした視線が又俺に向き直る。
様子を見ていたマミーが俺の膝を掴んで再度開かせる。

「全部見てやれよ…」
「…ッ…はい…」

唇を強く噛んだのは何故?
嘲ればイイじゃないか、オマエが俺をココに連れて来たんだろう。
俺のこの姿見て、嘲ればイイじゃねぇか…!

「一曲鳴きな、ボタンよ」
「…マミー…さん…。」
「なんだ」
「いえ……わかりました…」

どうしてそんなに震える。
それを見て何故マミーは笑う?
俺はどうしてこんなことをされて喘ぐ??
目を落として、俺の立てる音に眉根を寄せて。
唇がそっと開いた。

「…葉桜や…昨日は花と…囃(はや)されて…」

息とも声ともつかぬ唄が、其処から漏れた。
マミーの動きが弱まる。
まるで子守唄のような。
俺の其処を握った指が、先に触れて粘液を掬う。

「あ……ッ」

俺の微かな声に、ビクリと身を震わせて。

「…今日は…見返る人も…無、し…げに儚きは人の世や…」

掠れた声がとうとうと。
声で慰めるのは己自身か?ボタン…?
首筋に立てられた歯に体を逸らして。

「何時しかに更けて待てども来ぬ人も…」

唄を、止めてくれ…
俺を責めるのか、それとも…。

「枕…行燈の…影淡く…一人寝る夜の寂しさのぉ…
 泣いて…くれるか…………」
「ボタン」
「…」
「そりゃ俺に対するあてつけか?」
「イイエ…」
「気が殺がれた。ボタンお前ボンチューの上に乗れ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カラン。
乾いた音を立てて、刀身が落ちる。
唇を震わせて。
面倒くさそうにマミーに解放された、俺を。見る。

「…マミーさん…あんた俺の…気持ち知ってて…?」
「…乗れッてんだよ。」
「…ああ…ひど、過ぎます…ッ…」

よろよろと俺に近づいて。
倒れたままの俺の体に、震える手をかける。

「アンタも、酷い人だ…ッ…」
「お、れが、何したッてんだよ…」

そうだ…俺がなにをしたって言うんだ。
そんなに震えたって、俺は同情なんかしねェ。
してやらネェ。
そうだろ、お前が求めてやまないのは、俺じゃないなら。

着物の裾に手をかけて。
はらりと開いた隙間から、細い足が覗く。
カチリと音がしたそちらには、マミーの吹き出す煙草の煙。
吹かれて顔を逸らすのは俺ではなくてボタンその人。

「早くしな」
「…ッ…」

上げた髪がほつれて落ちる。
頬にかかった髪を顔を上げて逸らして。
俺を跨いだ脚は、そっと裾を割って膝をついた。
俺の其処に手をかけて、体を落とし始める。

「…ん…ゥ…ッ…」
「声殺すな。本気で鳴けよ。」

マミーの声に強く目を閉じて。
先端が触れたのを感じたのか、息を吸う音が高く響く。
そのまま、深く、俺を咥え込んで。
熱い粘膜が俺の其処にからみついて蠕動する。
痛みなのか、辛さなのか、眉根を寄せる姿を仰ぎ見る。

「ボンチューよぉ、イイだろうが、コイツはよ。
 欲しかったんだろ?貸してやるよ1度だけなぁ」

その声が震えていたのは気の所為か。
深く埋めこんだ後に、帯を指が伝って…見る間にそれがほぐされる。
スルリと開かれ割れた前から、褐色の素肌がすべてを見せて。
俺の刺激に反応した其処が目に入る。
感じてくれてるってのは、悲鳴が出るほど嬉しいけどな。
そんな顔して喘ぐんじゃねぇよ。

意地悪くマミーに引っ張られた布が、腰まで落ちる。

「ひ、ど……過ぎます……ッ…こんな…こんなァァ…ッ」
「ウルセェ!ボンチュー誘ったのはオメェなんだろうが!
 お前は俺のモンだろう?そうじゃなかったか?
 捨ててやろうか?お前の名前など忘れてやろうか?」

立ちあがったマミーが、俺に乗ったボタンの肩を掴んだ。

「おい、マミー…!」
「お前もお前だ!勝手な…ッ…オラ、鳴きな!!」

ボタンの肩を掴んだ腕が。筋肉の筋を浮かびあがらせて。
引きつった体を、無理に俺に押し下げて深くする。
勢いよく侵入したモノにボタンが悲鳴を上げる。
悲鳴なのか、喜びの声なのか。

「あ、あ----ッ…!」

高く上がったそれが、鳥の鳴き声のように響いた。
涙を一つ零して。

「動けよボタン!」

悲しげな視線が俺ではなくマミーに送られて。
俺は行き場を失う。
なんでこんな行為が為されるんだ。
なんでこんなに苦しそうな顔してマミーは笑うんだ。
酷く乾いた咽喉が引っ付いて。
借り物の身体にありったけの欲望をぶちこむ。
ボタン、お前なんか、まみれてんのが似合いの娼婦だよ!

微かに聞いた声。
それを俺は聞かなかったフリをした。
マミーがその声に煙草を捨てる。

「助け、てェ…下さい……ッ…マミー…さ…ッ…」

掠れた悲鳴に、酷く苦しそうな顔をしたマミーの唇が…
その声を塞ぐのが、見えた。



ボンチューファンにもマミーファンにも
ボタンファンにも怒られそうな展開は以上で終了です。お騒がせ致しました〜vv
マミさん実は焦れてたんですね(苦笑)この話ではどうやらボタンはマミさんに恋焦がれてて
マミさんはそれを玩具程度に感じてたんだけどその実…って感じでした。
こう言う話にするツモリ全然なかったんですが(涙
自分の好きなカップリングがいまいち掴めてない…
今度どれかに決めようとちょっと思いました…。カー坊は何処だ(笑
破礼句4

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